おもちゃの役割

遊びを通して、体の使い方を覚えること


この目的のために作ったおもちゃが、はいはい階段やダンボールのお家などです。

 

「当たり前のこと」を理解してもらうこと


(例:物は上から下に落ちる)

これについては、驚くようなことがたくさんありました。
例えば、1才10ヶ月の時に輪投げを作ったのですが、
「輪はポールの上から入れる」ということが理解できず、
ポールの下から入れようとしたり、引き抜こうとしたりしていました。

 

そこで、
・ポールの上から入れて、上から抜く見本を見せる
・一緒に入れたり、抜いたりして遊ぶ

 

ということを繰り返しました。

 

そのうち、下から引っぱっても抜けないということを、経験を通して理解したようでした。

 

このように、私たちにとっては「当然」と思えることでも、
理解しづらい子どもには、実際に経験させて分かってもらうしか方法がないと感じています。

「できた!」という体験と、達成感を味わえること


安藤忠先生は、
「大切なのは
『自分はこれをやれた!自分はすごいやつだ!』
と、子どもに自信を持たせること」
と仰っています。

 

7才頃、有香が何かできた時には
「有香ちゃんだって、やれば出来るねん!」
と言っていました。

 

6才頃は
「有香ちゃんはお姉ちゃんだからできるの」
「さすが有香ちゃん」
と言ったり、
「有香ちゃん、すごい?」
と聞いたりしていました。

 

それ以前は
「できた~!」
と言って喜び、
言葉が出なかった時代には、自分で手をたたいて喜んでいました。

 

成長とともに表現方法は変わってきましたが、
「自分にできた」ということを心から喜ぶ姿を見るたびに、
安藤先生が仰る
「子どもに自信をつけることの大切さ」
を実感しています。

 

自信をつけさせる方法は色々あると思いますが、
手軽に「できた!」という体験をさせてあげられるのが、
おもちゃではないかと思っています。

遊びを通して、思考力や想像力を身につけること


以前、言語聴覚士の先生から
「好きなことは理解できます」
というお話を聞きました。

 

一例ですが、ある男の子は、
数は分からないのに、大好きなエレベーターのことになると、
「7階の下は?」と聞くと
「6階」
と答えるそうです。

 

その男の子のお母さんは、
お子さんに付き合って、日に何度も何度もエレベーターに乗ったそうです。

 

「好きなことは理解できる」ということは、
好きなことなら、何度も繰り返せるということです。
そして、この繰り返しの経験によって体得したものを、
子どもたちは自分の力として身につけていくのだと思います。

 

私たちは、何かを見れば
「ここがこうなっているということは、こうすればこうなるな」
と、自然に想像します。

しかし、ダウン症のある幼児には、
そのような思考力がすぐには働きません。
だからこそ、たくさんの経験を積むことが必要なのだと思います。

 

心の中に多くの経験が蓄積されると、
ある日、あれとこれが結びつき、
経験していないことでも、予想できるようになるのだと思います。

 

例えば積み木遊びでは、
積んだり、くずしたりを繰り返すうちに、
「こう積むとくずれやすいから、こう積んだ方がいいのでは?」
と、自分で考え、研究を始めます。

 

 

そうして、考える力が育っていくのだと思います。

分りにくい算数などを、理解しやすくすること


ある専門家は
「子どもが分からないのではない。分からせ方が足りないのだ」
と仰っています。

 

子どもに理解できなければ、
大人が提示の仕方を変えればいいのです。

 

これでダメならこう、
それでもダメならこう…と、
子どもが理解しやすい方法を考えていきます。

 

有香が小学校に入学し、算数の勉強が始まった時、
私は本当に「算数は難しい」と感じました。
それは、私たちが感じる
「算数が好き」「算数が苦手」
という次元とは、まったく違うものでした。

 

 

そこで、算数を少しでも分かりやすくするために、
いくつかの教材を作りました。